restart * another sky *からのサイドストーリー
真っ赤な、花
背中をそろりとなぞる指が、名残惜しそうに動いているのを感じ、私は小さくため息を吐いた。
「…もう一回、…。」
吐息混じりに囁かれた言葉に、少しの執着を感じ取る。
「嫌よ。」
私は、彼の首に腕を回しながら言った。
「……っ。」
平日の午後。
無為に過ごす、この時間。
もう、十分。
心ゆくまで堪能したんじゃないの――??
「そんなふうに拒否られると、余計に燃えるね。」
馬鹿みたい。
煽ってるわけじゃないのに。
もういいって、もう嫌だって、言ってるの。
触らないで!!