restart * another sky *からのサイドストーリー
「ちょっと待って、―――。
付き合ってないの??」
「ダイキはノンケ。ストレート。」
「え、―――??」
「俺は、バイ。どっちもいけるクチ。
どっちかっていうと可愛い男の子が好きだけど、女もいけちゃうわけ。
でも、ダイキに手を出したことは、ないよ。
俺の中で、ダイキは特別、なんだ。
ダイキだけは、そばにいてほしい人間だから。」
「ご、ごめん…。びっくりしちゃって。
ダイキ君から翔平君のこと聞いた時、そうなんだって、…。
そういうのもアリなのかなって、……。」
「ダイキは全くのストレートだよ。
でも、女の人がちょっと苦手なんだよね。
ま、いろいろあってさ。」
――――。
何て答えたらいいのかわからない私は、黙って頷いた。
「ここに傷があるからさ。」
翔平君は自分の胸を拳で叩く。
「麻友理さんにシンパシー、感じちゃうんだ。
自分を傷つけても、何の解決にもならないって知ってるから。」
「……っ。」
「よくわかんないけどさ、その元カレのこと、そんなに好きだったの?」
優しい声で聞かれ、私は思わず視線を逸らしてしまった。
好きだった―――。
航太は、私をちゃんと愛してくれたから―――。