restart * another sky *からのサイドストーリー
「好きだった…。」
小さな声で呟いた私の肩を、翔平君は優しく引き寄せた。
「俺、ダイキが心配そうに麻友理さんを見てるのが辛いんだ。
あいつの傷、また開くんじゃないかって。
何もしてやれないけど、あいつには笑っていてほしい。
きっとダイキも、麻友理さんにそう思ってるはずだよ。」
「何よ、…。
ダイキ君の心配してるんじゃない。」
ふはっ、―――。
キュンとするような笑顔を見せて、翔平君は私を覗き込む。
「ダイキの大切な人は、俺も大切なんです。
俺、ちょっと普通とは違うみたいだから、可笑しいこと、言ってっかもしんないけど。
大切な人がいなくなる辛さは、わかってるつもり。
ダイキが俺の前から姿を消した時、死ぬかと思ったから。」
「うん、……。」
航太も、そうだったの……?
玲が姿を消した時、あなたは荒れに荒れて…。
そんな航太を、私はまるで勝ち取ったように見ていた。
玲さえ離してしまえば、何も怖いものなんてないって誤解して。
人の気持ちはそう簡単には変わらない。
私は根本的に間違ってたってこと、気付くのが遅すぎたんだよね…。