restart * another sky *からのサイドストーリー
いつも一生懸命、なんだよね。
麻友理、麻友理って、くるくる変わる瞳をきゅーっと細めて、いつも笑ってたっけ。
ふわりとした見かけとは、全然違うんだな…。
駄目なことは駄目だって、はっきりと言えちゃうし、芯がしっかりしててブレなくて。
私はいつも玲に、支えられてた。
全部、離れてから気付いたんだよね。
本当は、玲が私に妥協してくれてただけなんだって。
そんなこともわからずに、偉そうに上から目線で見ていた自分が恥ずかしい。
当然のように、玲に寄りかかって甘えていたんだよね。
「相変わらず、ニコニコしちゃって…。」
にこやかに招待客に応じている玲は、すごく幸せそうなオーラを醸し出している。
「…航太と…、よりを戻すかと思ってたのに…。」
私がいなかったら、二人は元に戻れるんじゃないかって、そう思ったの。
だけど、玲は戻らなかった。
玲は……。
航太よりも、私を失ってしまったことの方が辛いと泣いていた。
彼氏よりも、友達を失ったことの方が大きいなんて、あの頃の私には…、理解できなかったよ。
でもね、今なら、わかるよ。
そばにいてくれる、女友達の有難さに…。
ほんと、馬鹿だったな…。
玲、―――――。
幸せそうだな。
幸せに…なってね。