restart * another sky *からのサイドストーリー
今まで、――――。
何の努力もしないで、手に入れたものばかりだった。
私は特別だから、相手に与えてもらって当然、だなんて思ってた。
プライドだけが高くって、中身のない、薄っぺらな人生。
そんな馬鹿げたプライドに、固執して。
昨日、航太を見て、思ったの。
私は何で、航太を好きになったんだろうって。
改めて、振り返ってみてわかった。
私は、―――――。
航太の、玲に対する無償の愛が、羨ましかったんだって。
私もあんなふうに愛されたいって、思ったんだって。
由樹とはもう、愛なんてないってわかっていたのに、認められなくて…。
取り繕ったように、必死になって合わせても、虚しくて、辛くて。
でも、終わりだなんて、認めたくなかった。
この私が、振られるなんて、有りえないって。
ほんと、何さま、だったんだろう…。
あっけない程、簡単に捨てられて、…。
私の気持ちは、行き場を失くしてしまった。
どうしていいのか、わからなかったの。
由樹に、依存して生きてきたから。
そんな中で、――――。
私を、一生懸命支えようとしてくれていた、玲。
その玲を、温かい光のような愛で包み込む航太に、どんどん惹かれていったんだ。