restart * another sky *からのサイドストーリー


今まで、――――。

何の努力もしないで、手に入れたものばかりだった。

私は特別だから、相手に与えてもらって当然、だなんて思ってた。

プライドだけが高くって、中身のない、薄っぺらな人生。

そんな馬鹿げたプライドに、固執して。


昨日、航太を見て、思ったの。

私は何で、航太を好きになったんだろうって。

改めて、振り返ってみてわかった。


私は、―――――。

航太の、玲に対する無償の愛が、羨ましかったんだって。

私もあんなふうに愛されたいって、思ったんだって。


由樹とはもう、愛なんてないってわかっていたのに、認められなくて…。

取り繕ったように、必死になって合わせても、虚しくて、辛くて。

でも、終わりだなんて、認めたくなかった。

この私が、振られるなんて、有りえないって。

ほんと、何さま、だったんだろう…。

あっけない程、簡単に捨てられて、…。

私の気持ちは、行き場を失くしてしまった。

どうしていいのか、わからなかったの。

由樹に、依存して生きてきたから。


そんな中で、――――。

私を、一生懸命支えようとしてくれていた、玲。

その玲を、温かい光のような愛で包み込む航太に、どんどん惹かれていったんだ。

< 49 / 56 >

この作品をシェア

pagetop