restart * another sky *からのサイドストーリー
「ただいま。」
ダイキ君の顔を覗き込むように笑顔で接してみる。
―――――。
だめだ。
彼には私のスマイルなんて、通用しない。
ちらりと軽蔑したような視線をくれただけ。
「ごめんねって。ね??」
媚びるように腕を掴むと、
「さっさと仕事してくださいよ。」
と睨まれてしまった。
はいはい。
おとなしく仕事、しますよ。
そんな、蔑んだような目で見なくっても、いいじゃない。
「……っ。」
安物のボディシャンプーの香りが鼻について、心底ゲンナリする。
まだ、髪だって、半乾き―――。
あーあ。
ここにはたくさんの花が咲き乱れているのに。
オーナーの私が、安物の香料を身に纏っているなんて。
―――――。
私は大きな溜め息を吐いて、髪をひとつに束ねた。