restart * another sky *からのサイドストーリー
私には、誰もいない。
この世の中で、私を愛してくれる人は誰もいない。
航太が部屋から去っていった後に襲われた、虚無感。
私が何をしたっていうの?
何故、私だけが責められなければならないの?
梨花に言われた、『男に依存して生きている』という言葉が、胸に刺さる。
好きな人に頼って何が悪いの?
その分、私は彼を幸せにしてあげるのよ?
航太に告げ口したのは、綾子だとわかっていた。
だって、綾子しか知らないことだから。
寄ってたかって、玲、玲、玲…。
もう、うんざりだった。
みんなに責められて、残ったものは、孤独だけ。
愛する人も、友達も、もう何も残っていなかった。
「……っ!!」
何をしたかったのか、―――――。
今、思い返しても、恥ずかしい。
だって、みんなに迷惑をかけてしまうってことに、何の躊躇いも無かったんだから。
私が助かったのは、みんながいてくれたから。
みんなに支えられて生きてるんだって、痛感したのは、私が一度死んでからだ。
あの時、病院のロビーで聞いた、二人の気持ち。
改めて知った、二人の思い、―――。
航太と、玲の、愛の深さに、愕然として。
自分の欲求だけを満たそうとした、無思慮な行動を…初めて後悔したんだ…。