【BL】――、呼ぶ声がした。
大切なものから無くしていくという。
――誰でもよかった。
独りで居るのが怖くて、この孤独を埋めてくれるなら誰でも。
一年前、彷徨った街で拾った青年。
コイツもまた、空いてしまった穴を埋めたがっていた。
なんて声をかけたかなんて忘れた。
いいんだ、覚えていなくたって。
そんなことはどうだって。