【BL】――、呼ぶ声がした。
手が伸びてきて、優しく頬に触れる感触があった。
「話、聞いてる?俺は愛してあげるよって言ったんだよ。」
「……………」
「俺ね、優羽に会うまで世界が白黒だった。」
千景の両手が俺の頬を包み、真っ直ぐ視線が向けられる。
「優羽が俺の世界を変えたんだ。いつの間にか好きになってた。」
「………………」
「理屈じゃない。気付いたら好きだった。」
千景はゆっくり唇を合わせてきた。
「愛してる。優羽、愛してくれたらその倍、愛を返してあげるよ。」
だから愛してよ、と千景は囁いた。
「……俺がおまえを愛したら、おまえは居なくなる。」
「?」
「大切なものは、みんな無くなるから。」