【BL】――、呼ぶ声がした。
クスクスと千景は笑った。
「居なくならないよ。絶対に。例えば先に俺が死ぬとしたら………一緒に連れて逝くよ。」
ぎゅっと抱き締められて、胸の奥が切なくなった。
「死んだって独りになんかしない。逆に優羽が先に逝っても、必ずすぐに追いかける。」
だから安心して。
千景の言葉が胸に溶けていく。
身体に染み渡るように……。
俺はそっと千景の体を抱きしめ返す。
「………もう独りぼっちは嫌なんだ。」
「知ってる。俺も嫌だから。――いつだって優羽の名を呼んであげるよ。」
溜まらずに唇を重ねた。
貪るように。
「……優羽、もっともっと君のことを知りたい。」
「………ああ、俺もだ。」
互いに知らないことが無いぐらいに。
―――寂しいときは、いつだって……
俺の名を呼ぶ声がする。
――END――