【BL】――、呼ぶ声がした。



ふと千景が目を覚ました。


俺はとっさに触れていた手を離す。


千景は笑って、俺のその手を掴んだ。



「――もっと。」
「………………」



言われるまま頬に手を滑らせると、千景は気持ちよさそうに瞼を閉じた。



「こうされるの好きだな。」
「………」
「愛されてる感じがする。」



――愛?



「………バカか、お前。」



俺は手を離した。



< 7 / 11 >

この作品をシェア

pagetop