サラリーマンくんとわたし
<出会い>
10月に入り過ごしやすい季節がやってくる
私、中山怜美は高校2年生。
放課後の教室、仲良し4人で結婚相手について話をしていた。
「結婚するなら、やっぱり収入だよね」
「え~でも、顔もかっこよくないとかわいい子供産まれないし」
「浮気しない旦那がいいな~」
みんなそれぞれ好きなことを言っている
高校生の私達にはまだまだ結婚なんて夢見る世界でしかない
「怜美は?」
『えっ!?私??? ん~どうだろう???結婚なんて考えたこともないからなぁ~』
「怜美は顔や収入なんてどうでもよさそうだよね?」
『なんで?』
「だって、今までの彼氏は優しさ一番って感じじゃない?」
『確かに、そうかもね』
そう、私が今まで付き合った人は、告白されていい人そうだからという単純な理由で付き合ってばかりだった。
自分から誰かを好きになって告白するなんてしたことない
今までの彼氏のことも好きになれなかった訳でもない・・・
それなりに好きになった・・・
ただ、よくみんなが言うドキドキ感を味わったことがなかった
そんな中途半端な気持ちで付き合っているからなのか、付き合っても向こうから別れを告げられる。
振られるのはそれなりに悲しい
だけど目がはれるほど泣くとかご飯が食べれなくなるとかそんな気持ちは出てきたことがない。
『あっ、私そろそろ帰らないと。バイトにおくれちゃう』
そう言ってみんなより先に帰って行った。
みんなに手を振られ教室から出ていく
私ってもしかして今まで本気で男の人を好きになったことないのかな?
そんなことを考えながら家に帰り、着替えをしてバイト先へ向かった。
バイト先は歩いて5分のコンビニ
家も近くだし、店長のおじさんとも顔なじみだから、ここならって親が許してくれた場所なんだよね。
やっぱり私って男子を好きになる脳が無いのかな?
17年も生きてきて一度も恋をしたことがないなんてありえない・・・
絶対私がおかしいんじゃなくて、この脳がおかしいんだ・・・
この脳ってことはやっぱり私がおかしいのか・・・
そんなことばかり考えてバイトも集中できない状態になっていた