ラブバトル・トリプルトラブル
それでもまだ、美紀に気持ちを伝えようと息巻いていた。
何故好きになったのか解らない。
突然目覚めた恋に戸惑いながら、直樹に打ち明けた。
まさか……
直樹と秀樹がライバルになるなどと予想もしていなかったのだ。
それでも、クリスマスに長尾家に招待されたことが強みになっていた。
正樹に美紀を任されたと思ったからだった。
三人はそれぞれで悩み、そして運命のバレンタインデーを待つことになったのだった。
三人三様の恋愛バトル。
それを歯痒く見ていたクラスメイト達。
そしてやっと……
高校野球で大活躍した彼等に応援団も立ち上がった。
でもそれは、美紀が誰を選ぶかと言う賭けだった。
「俺は大に賭ける。何故なら、アイツは先生になると言ったからだ。やはり、将来性があるのは大だと思うんだ」
「私は直樹さんが良いと思う。真面目だもん。それが一番よ」
「私はカッコイい秀樹さんが良いわ」
それは、クラス全体。
いや、学校全体を巻き込んだ騒動に発展して行ったのだった。
やっぱり駄目かと、俯く秀樹と直樹。
大も真似をした。
三人に冷たい風が吹く。
クラスメートはそう思ったようだった。
みんなが見守るなか、トリプルラブバトルはそれで収縮するかと思われた。
それでもまだあがき苦しむ二人がいた。
美紀が本当は正樹が好きなことは分かっていた。
それでも納得出来るはずがなかった。
もし正樹と結婚したら、同じ誕生日の美紀が自分達の母親になってしまうのだ。
妹を母と呼ばなければならなくなるのだ。
絶対にそれだけは避けたかった。
何故……
自分達では駄目なのか?
兄弟は兄弟で、それぞれに思いを巡らす。
でも結局解るはずがない。
だって美紀自身さえも、気付いてもいないことだったのだから。
沙耶の言葉がなかったら、きっと一生美紀は苦しむはずだった。
でもだからって、今が苦しくない訳がない。
知ってしまった以上……
美紀はきっともっと苦しむはずなのだから。
何故好きになったのか解らない。
突然目覚めた恋に戸惑いながら、直樹に打ち明けた。
まさか……
直樹と秀樹がライバルになるなどと予想もしていなかったのだ。
それでも、クリスマスに長尾家に招待されたことが強みになっていた。
正樹に美紀を任されたと思ったからだった。
三人はそれぞれで悩み、そして運命のバレンタインデーを待つことになったのだった。
三人三様の恋愛バトル。
それを歯痒く見ていたクラスメイト達。
そしてやっと……
高校野球で大活躍した彼等に応援団も立ち上がった。
でもそれは、美紀が誰を選ぶかと言う賭けだった。
「俺は大に賭ける。何故なら、アイツは先生になると言ったからだ。やはり、将来性があるのは大だと思うんだ」
「私は直樹さんが良いと思う。真面目だもん。それが一番よ」
「私はカッコイい秀樹さんが良いわ」
それは、クラス全体。
いや、学校全体を巻き込んだ騒動に発展して行ったのだった。
やっぱり駄目かと、俯く秀樹と直樹。
大も真似をした。
三人に冷たい風が吹く。
クラスメートはそう思ったようだった。
みんなが見守るなか、トリプルラブバトルはそれで収縮するかと思われた。
それでもまだあがき苦しむ二人がいた。
美紀が本当は正樹が好きなことは分かっていた。
それでも納得出来るはずがなかった。
もし正樹と結婚したら、同じ誕生日の美紀が自分達の母親になってしまうのだ。
妹を母と呼ばなければならなくなるのだ。
絶対にそれだけは避けたかった。
何故……
自分達では駄目なのか?
兄弟は兄弟で、それぞれに思いを巡らす。
でも結局解るはずがない。
だって美紀自身さえも、気付いてもいないことだったのだから。
沙耶の言葉がなかったら、きっと一生美紀は苦しむはずだった。
でもだからって、今が苦しくない訳がない。
知ってしまった以上……
美紀はきっともっと苦しむはずなのだから。