ラブバトル・トリプルトラブル
金~約束の日曜日
三月二十九日金曜日。
直樹君と秀樹君は社会人野球チームで練習した後で、お母様の七回忌に出席するために一旦埼玉に戻ることになっている。
大君は残るのかと思っていたら、一緒に行くと言う。
だから私も同行することになった。
一人だけになっても此処に居る。
なんて言えなかったのだ。
オムレツを作りながら何度目かの溜め息を吐く。
それほど私は動揺していた。
私は何時の間にか直樹君を愛してしまったようだ。
最初は憧れだった。
生徒会長に立候補した直樹君の格好いい姿にときめいた。
でももしかしたら、初恋の人に似ていたからなのかも知れない。
「いただきます」
三人が一斉に言う。
その言葉にドキンとする。
もしかしたら、もう聞こえなくなるかも知れない。
そう思うと、更に不安になっていた。
「待ち合わせは新大阪駅でいいかい? 中村さんは俺が連れて行くからね。だってきっと初めてだと思うから」
「そうだね。いきなり、この家の前だったもんな」
秀樹君の発言で一週間前のことを思い出した。
『無賃乗車か?』
この大阪でのルームシェアは其処から始まった。
『知らないうちに此処まで運ばれたか? 事情は解った。それでも、輸送料追加してもらわないとな』
私はただ、それから逃れるために嘘をついたのだ。
直樹君と秀樹君のお母様から頼まれたと……
でもその後で気付いたんだ。
二人のお母様は既に亡くなっていることを。
それでかな?
私にお母様の霊が憑いて来たたと勘違いされて……
だから私は大切にされて来た。
でもこれ以上嘘はつけない。
私は直樹君のママではない。
ママじゃなく、本当は恋人になりたいんだ。
昨日思いがけなく、二人の過去が明らかになった。
まさか、お互いがそれぞれの初恋の人だったなんて……
私はただ、母に連れられて彼処にいただけ。
母は直樹君のお父さんの追っかけだったんだ。
試合を見に行く訳ではない。
ただ地元で何かある時だけ出掛けるのだ。
そんな出逢いを……
直樹君が覚えていてくれた。
『スイカズラの君』
だと言ってくれた。
嬉しいくせに、やるせないんだよ。
直樹君と秀樹君は社会人野球チームで練習した後で、お母様の七回忌に出席するために一旦埼玉に戻ることになっている。
大君は残るのかと思っていたら、一緒に行くと言う。
だから私も同行することになった。
一人だけになっても此処に居る。
なんて言えなかったのだ。
オムレツを作りながら何度目かの溜め息を吐く。
それほど私は動揺していた。
私は何時の間にか直樹君を愛してしまったようだ。
最初は憧れだった。
生徒会長に立候補した直樹君の格好いい姿にときめいた。
でももしかしたら、初恋の人に似ていたからなのかも知れない。
「いただきます」
三人が一斉に言う。
その言葉にドキンとする。
もしかしたら、もう聞こえなくなるかも知れない。
そう思うと、更に不安になっていた。
「待ち合わせは新大阪駅でいいかい? 中村さんは俺が連れて行くからね。だってきっと初めてだと思うから」
「そうだね。いきなり、この家の前だったもんな」
秀樹君の発言で一週間前のことを思い出した。
『無賃乗車か?』
この大阪でのルームシェアは其処から始まった。
『知らないうちに此処まで運ばれたか? 事情は解った。それでも、輸送料追加してもらわないとな』
私はただ、それから逃れるために嘘をついたのだ。
直樹君と秀樹君のお母様から頼まれたと……
でもその後で気付いたんだ。
二人のお母様は既に亡くなっていることを。
それでかな?
私にお母様の霊が憑いて来たたと勘違いされて……
だから私は大切にされて来た。
でもこれ以上嘘はつけない。
私は直樹君のママではない。
ママじゃなく、本当は恋人になりたいんだ。
昨日思いがけなく、二人の過去が明らかになった。
まさか、お互いがそれぞれの初恋の人だったなんて……
私はただ、母に連れられて彼処にいただけ。
母は直樹君のお父さんの追っかけだったんだ。
試合を見に行く訳ではない。
ただ地元で何かある時だけ出掛けるのだ。
そんな出逢いを……
直樹君が覚えていてくれた。
『スイカズラの君』
だと言ってくれた。
嬉しいくせに、やるせないんだよ。