ラブバトル・トリプルトラブル
「ねえ、あんた達。美紀ちゃんが誰を好きなのか知ってて言ってる訳?」
言ってしまってから沙耶は慌てて口をふさいだ。
「あれ私……? 何ていう事を」
沙耶はそっと正樹の顔を伺った。
でも、正樹よりもっと困った人のいることに沙耶は気付いていなかった。
それは大だった。
大は沙耶の言った意味が理解出来なくてキョトンとしていた。
実は大は美紀が正樹を好きなことに気付いていなかったのだ。
正樹は正樹で、三人の告白を目の当たりにしておどおどしていた。
美紀が心をとらえて放さない正樹。
どうしようもない程苦しみ、もがいていた。
正樹も美紀の中に珠希を感じていたが、それを口にする訳にはいかなかった。
それを口実に、自分が美紀を襲う。
正樹はそうなることが怖かった。
好きだと言えばいい。
解ってはいる。
でも言える筈がない。
正樹には此処は生き地獄だった。
花火が上がる度、一緒に過ごした珠希を思う。
プロレスラーを辞めてからもトレーニングに勤しんできた。
珠希が作り上げてくれた肉体と体力を維持するために。
正樹は珠希を忘れることなど出来なかった。
だから……
部屋の鍵は掛けなくなった。
珠希に帰ってきてほしくて……
魂でも良いから添い寝してほしくて……
そんな男が珠希の代わりに美紀を愛してはいけないと思ったのだ。
言ってしまってから沙耶は慌てて口をふさいだ。
「あれ私……? 何ていう事を」
沙耶はそっと正樹の顔を伺った。
でも、正樹よりもっと困った人のいることに沙耶は気付いていなかった。
それは大だった。
大は沙耶の言った意味が理解出来なくてキョトンとしていた。
実は大は美紀が正樹を好きなことに気付いていなかったのだ。
正樹は正樹で、三人の告白を目の当たりにしておどおどしていた。
美紀が心をとらえて放さない正樹。
どうしようもない程苦しみ、もがいていた。
正樹も美紀の中に珠希を感じていたが、それを口にする訳にはいかなかった。
それを口実に、自分が美紀を襲う。
正樹はそうなることが怖かった。
好きだと言えばいい。
解ってはいる。
でも言える筈がない。
正樹には此処は生き地獄だった。
花火が上がる度、一緒に過ごした珠希を思う。
プロレスラーを辞めてからもトレーニングに勤しんできた。
珠希が作り上げてくれた肉体と体力を維持するために。
正樹は珠希を忘れることなど出来なかった。
だから……
部屋の鍵は掛けなくなった。
珠希に帰ってきてほしくて……
魂でも良いから添い寝してほしくて……
そんな男が珠希の代わりに美紀を愛してはいけないと思ったのだ。