ラブバトル・トリプルトラブル
「だけど、それだけじゃない。プロレスラーのくせに優し過ぎるパパだったから、こんなに好きになったんです」
美紀は素直に告白した。
「美紀ちゃん。もしかしたら貴女、お姉さんが亡くなった後に、正樹さんのことをもっと好きになっていない?」
沙耶の質問に美紀は戸惑いながら頷いた。
それは美紀自身にも解らなかった。
何故こんなにも正樹が好きなのか?
何故大や兄弟では満たされないのか?
その答えは、沙耶が知っていた。
美紀が産みの母が憑依していると言ったので、やっと理解出来たことだった。
「お姉さん!」
沙耶はそう言うと突然泣き出した。
(そうよね。正樹さんを守るために美紀ちゃんの体に憑依したのね。だから正樹さんは助かったのね。判ったわお姉さん。お義兄さんの傍を離れたくなかったのね。
――だから美紀ちゃんに憑依したのね)
次の瞬間。
沙耶は美紀が愛しくて仕方なくなった。
「美紀ちゃん、今まで辛かったでしょう。私何も出来ないけど、今日から応援団長してあげる」
沙耶は美紀にウィンクした。
沙耶から語られた真実。
薄々は気付いていたのだろうか?
美紀は意外に冷静だった。
(もしかしたら? 私が急に鶏肉が苦手になったのは、ママの影響だったのかな? もしそうだとしたのなら? 叔母さんの言う通りママが私の中に居るって言うことなのかな?)
美紀は自分の胸の谷間に手をかざしてみた。
そして静かに心臓の鼓動に耳を傾けた。
(ママ、一緒に生きているの? だから私はパパが大好きなの?)
でも、本当は美紀は気付いていた。
だったら国体の日に、あんな思いはしなかったはずだと……
(違う。私は自分からパパが好きになったのだ。パパを愛したのは自分の意志だ。ママの差し金ではないはずだ)
でもそれは沙耶には言えない。
そう思った。
美紀は沙耶に取りすがった。
無意識に沙耶の優しさを求めたのだ。
その行為が何なのか判断出来ないまま……
その胸で思いっきり泣いた。
沙耶も泣きながら、美紀を両腕で包み込んだ。
美紀に憑依しているかも知れない、美紀の産みの母と自分の姉も一緒に。
(いやきっと憑依している! そう……花火大会の時に感じた姉の存在が証明している……)
沙耶は美紀を守ってやりたいと思っていた。
それは初めて沙耶が目覚めた美紀に対する家族愛だったのかもしれない。
美紀は素直に告白した。
「美紀ちゃん。もしかしたら貴女、お姉さんが亡くなった後に、正樹さんのことをもっと好きになっていない?」
沙耶の質問に美紀は戸惑いながら頷いた。
それは美紀自身にも解らなかった。
何故こんなにも正樹が好きなのか?
何故大や兄弟では満たされないのか?
その答えは、沙耶が知っていた。
美紀が産みの母が憑依していると言ったので、やっと理解出来たことだった。
「お姉さん!」
沙耶はそう言うと突然泣き出した。
(そうよね。正樹さんを守るために美紀ちゃんの体に憑依したのね。だから正樹さんは助かったのね。判ったわお姉さん。お義兄さんの傍を離れたくなかったのね。
――だから美紀ちゃんに憑依したのね)
次の瞬間。
沙耶は美紀が愛しくて仕方なくなった。
「美紀ちゃん、今まで辛かったでしょう。私何も出来ないけど、今日から応援団長してあげる」
沙耶は美紀にウィンクした。
沙耶から語られた真実。
薄々は気付いていたのだろうか?
美紀は意外に冷静だった。
(もしかしたら? 私が急に鶏肉が苦手になったのは、ママの影響だったのかな? もしそうだとしたのなら? 叔母さんの言う通りママが私の中に居るって言うことなのかな?)
美紀は自分の胸の谷間に手をかざしてみた。
そして静かに心臓の鼓動に耳を傾けた。
(ママ、一緒に生きているの? だから私はパパが大好きなの?)
でも、本当は美紀は気付いていた。
だったら国体の日に、あんな思いはしなかったはずだと……
(違う。私は自分からパパが好きになったのだ。パパを愛したのは自分の意志だ。ママの差し金ではないはずだ)
でもそれは沙耶には言えない。
そう思った。
美紀は沙耶に取りすがった。
無意識に沙耶の優しさを求めたのだ。
その行為が何なのか判断出来ないまま……
その胸で思いっきり泣いた。
沙耶も泣きながら、美紀を両腕で包み込んだ。
美紀に憑依しているかも知れない、美紀の産みの母と自分の姉も一緒に。
(いやきっと憑依している! そう……花火大会の時に感じた姉の存在が証明している……)
沙耶は美紀を守ってやりたいと思っていた。
それは初めて沙耶が目覚めた美紀に対する家族愛だったのかもしれない。