好きだったよ、ずっと。【完】
「だ、だって。いつも自分一人だったから、別にちょっとくらい期限切れててもいいか、って癖が付いてたから…」



朱里って、こんな奴だったのか…?



「はぁ…。いくら一人でもこれからは、気を付けろよ?」



「う、うん。じゃぁ、どうして顔色悪いの?」



話、戻すなよ…。



せっかく、逸らしたのに。



ここは正直に言うべきか?



でも、そんなこと思ってたなんて知ったら引かれるか?



あー、分かんねぇ。



「春夜?」



俺が、あれこれ考えていると朱里の顔が真ん前にあってドキリとした。



「あー、ムカツク」



「え?ムカツク…?わ、たしに…?」



「あーそうだよ。お前にムカついてる」



間宮に、裸見せやがって。



「ご、めんね…?」



朱里は今にも泣き出しそうな顔をして、謝った。



ただの、俺の嫉妬なのに。



「春夜っ!?」



俺はグイッと腕を引っ張ると、朱里を無言で抱きしめた。
< 138 / 267 >

この作品をシェア

pagetop