好きだったよ、ずっと。【完】
「…俺が嫉妬したって言ったら…、笑うか」



「え、嫉妬…?どうして、笑わないよ?」



笑わない…、か。



まぁ、さっきも嫉妬したしな。



朱里の言葉に俺は、抱きしめてた体を離すと朱里を見つめ、一呼吸置いた。



「……ホテルで風呂、入ったんだろ?」



「へっ!?あ、うん…」



朱里は一瞬驚いたが、小さく頷いた。



「ホテルの風呂って、ガラス張りとか多いじゃん」



「えっ!?そうなのっ!?」



そうなの!?って、朱里が行ったラブホはガラス張りじゃなかったってことか?



つか、こいつラブホ行ったことねぇのか?



すげぇ、驚いてんだけど…。



「ガラス張りじゃなかったのかよ。じゃぁ、どんなんだった」



「……覚えてないよ、そんなの…」



「は?」



ウソだろ、風呂の感じ覚えてないとか。



あ…、そうか。



やっぱり、そうだったのか…。



「そういうことか…、そっか」



「え、なに!?何が、そういうことなの!?」



朱里は戸惑いながらも、聞いてきた。
< 139 / 267 >

この作品をシェア

pagetop