好きだったよ、ずっと。【完】
「って、電話しなきゃ!!」



わたしは慌てて、脱ぎ散らかした服を着てリビングへと急いだ。



通話を押し、耳に当てると呼び出し音が鳴る。



『朱里?どうかした?』



わたしが電話をした相手、それは…。



「うん、ごめんね璃香。急に電話して…」



やっぱり一番に報告しなきゃ、と思った。



『ううん、大丈夫。で、なんの報告?』



「え…?」



わたしが何も言えずにいると、電話の向こうで「ぷっ」と吹き出すのが聞こえた。



『春夜とのこと、でしょ?聞いてあげるから言っちゃいなよ』



璃香、分かってたんだ…。



わたしと春夜が、こうなることを…。



だから驚きもせず、ドーンとしてくれてるんだ。



「あ、あの…。付き合うことに、なりました…」



いざ、言葉にすると恥ずかしい…。



顔が熱くなるっ。



『うん、おめでとっ!』



璃香にそう言ってもらえるだけで、笑顔になれるんだ。



「璃香、ありがとう…」



だけど璃香の次の一言で、わたしは固まってしまった。



そして、今日言うべきじゃなかったと、後悔をしてしまうことに…。
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