好きだったよ、ずっと。【完】
「悪いんだけど、この資料頼めるか?」



「あ、はい。分かりました」



わたしは春夜から、紙を受けとった。



うわぁ…、結構あるなぁ。



「あ、結構あるだろ。俺も一緒に行くから、先に行っといてくれるか」



「え、や、あの。これくらいなら、わたし一人で……」



「結構、急いでんだ。だから、な?」



クスリと笑った、春夜。



ヤバイ、格好良すぎる…。



「そ、そうですか…。分かりました。では、先に行って集めてますね」



わたしは一礼をして、春夜に背中を向けようとすれば。



「あ、前田。アレ、持ってきたか?」



アレ…?



アレって、なに?



首をちょっと傾げると、春夜は小さな声で言った。
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