好きだったよ、ずっと。【完】
〝コンドームに決まってんだろ?〟



「こっ!?」



慌てて手で口を押えるも、わたしの声があまりにも大きかったらしくみんなが見ていた。



「こ?」



春夜は平然と、「“こ”ってなに?」という風な感じで見てきた。



コイツ、マジでムカツク…。



でも、「こ」と言ってしまった以上、何か言わなくてはと、少ない脳みそで考えた結果。



「コ、コブラが夢に出てきまして…。今、急に思い出してしまって…。すみませんでした…」



もう、だめっ。



これが、精一杯の考えだった。



「いや、いいさ。で、どんなコブラの夢だったの?まさか、ピンクな感じ?」



「は、い…?」



ピンク…、コブラ…。



考えても、考えても分からない。



首を傾げ悩んでいると、社員の松岡さんが口を出してきた。



「課長、それ一応セクハラです」



その言葉に、ピンときて顔が熱くなる。



「わ、わたし資料室行ってきますっ!!」



ダッシュで、その場から逃げだした。
< 174 / 267 >

この作品をシェア

pagetop