好きだったよ、ずっと。【完】
「あー、春夜10分くらい遅れるって」



「ふーん、そっか」



三人でそんな会話をしていると、元クラスメイトが数人集まってきた。



「朱里ちゃんに、璃香ちゃんに、間宮くんだよね?」



声を掛けてきたのは、薫<カオル>ちゃん。



「うん、久しぶりだね!相変わらず、薫ちゃん可愛いわぁ」



「えぇ?璃香ちゃんのほうが、可愛いよぉ」



璃香と薫ちゃんは二人ベタベタ触りまくって、褒め合っていた。



「オンナって、褒め合うの好きだよなー」



そう言ったのは、渡辺くん。



「あはは。でも渡辺くんも、オトナのオトコになってカッコイイよ?」



わたしが苦笑しながら、褒めてみると照れ始めた。



「えぇ?そ、そうかぁ?」



こういうことだよ、渡辺くん。嬉しいでしょ?と、心の中で思っていると、聡にクイッと引っ張られた。



「お前、カッコイイとか言うなよ。マジにしたら、どうすんの」



「え?大丈夫じゃない?相手、わたしなんだしさ」



そんなわたしに、聡は深い溜め息を吐いた。
< 186 / 267 >

この作品をシェア

pagetop