好きだったよ、ずっと。【完】
「あれぇ?そういえば、木ノ瀬くんはぁ?今日、来ないのぉ?」



璃香と楽しそうに話してた、薫ちゃんが突然周りを見回した。



「あー、ほんとだな。木ノ瀬、来ないのかぁ?」



渡辺くんも、そして何人かのクラスメイトも周りを見回していた。



「10分くらい、遅れるんだと」



答えたのは、わたしでも璃香でもなく聡。



璃香は自分が答えていいものなのか悩み、わたしにアイコンタクトを送ってきた。



わたしもわたしで、答えていいのか分からず聡を見た。



聡は、わたしの視線に小さな溜め息を吐き、みんなに言ってくれたのだった。



「へぇ、そっか。じゃぁ、来るんだね!木ノ瀬くん、相変わらずカッコイイんだろうなぁ…」



数人の女子の、キラキラとした目。



「そういえば、お前らまだ結婚しねぇの?」



「え」



渡辺くんの問いかけに、固まった璃香。



そうだよね、みんな付き合ってると思ってるよね。



前に集まりがあった時、結婚前提だって言ってたんだし。



「そうそう!璃香ちゃんと木ノ瀬くんの結婚式、楽しみにしてるんだよー!絶対、呼んでよねぇ!」



「ほんと、二人はお似合いのカップルだもんねぇ!」



「うらやましいよー!!」



どうしよう、これってかなり言いづらくない?



璃香も同じだったようで、困った顔をわたしに向けてきた。
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