好きだったよ、ずっと。【完】
「悪い、遅くなった!」



「あ、木ノ瀬くん!!」



そこへ春夜が登場し、一気に女子たちがキラキラし始めた。



もう、みんな目がハートだよ…。



そんなわたしも、春夜に釘づけなんだけど…。



黒スーツにエンジ色のネクタイ。



髪を掻き上げながら、「悪い」と入ってきた春夜にズキュンとヤられた…。



「あ、間宮もいたのか」



明らかに不機嫌オーラ全開で、わたしと聡の間に割り入ってきた春夜。



「んだよ、いたら悪いかよ」



「別に。で、朱里もう何か食った?飲み物なんか持ってこようか」



え、や、あの…、春夜…。



これはマズイ、相当マズイよ…。



璃香を見れば、苦笑していて。



周りもポカーンと、口を開けている。



「えっ、あの、木ノ瀬くん…?えぇと、立ち位置的には、こっちじゃない…?」



薫ちゃんが、璃香の隣を指さした。



「は?なんで。俺、朱里の彼氏だし。ここ、当然でしょ」



わぁぁ…、空気読めてないよ、コイツ…。
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