好きだったよ、ずっと。【完】
「あのー…、もしかして、もしかしなくてもマズかった…?」



璃香が遠慮がちに、視線を向けてきた。



「あぁ。すっげぇ、マズイよな」



「ご、ごめん!!だってキライだったでしょ!?」



俺の言葉に必死に、謝ってきた璃香。



間宮は、関係ないという顔で黙々と食べていた。



「あぁ、キライだよ。けど、前に朱里がごはん作ってくれた時さ。一所懸命、キャベツの千切り作ってくれてさ。スライサーでやったら美味しいんだよ、って。何度もキャベツ落としそうになりながら。ミニトマトも、アイコは美味しいんだって、勧められて。だから食べようと思った。これだって、選んで持ってきてくれたんだ。そら、食べんだろ」



俺が長々と話せば、璃香と間宮が口を開け俺を見ていた。



「春夜、変わったね」



「は?そんなこと……」



「そんなことあるよ。わたしとは築けなかった幸せ。朱里とは叶えて?」



「あぁ、言われなくても幸せにしてやるし、なるよ」



璃香の、この優しく笑った顔が好きだった。



でも今は、なんとも思わない。



朱里が、好きなんだ。
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