好きだったよ、ずっと。【完】
「どーでもいいけど、木ノ瀬。いいのか?」



「んだよ、なにが」



ったく、間宮の顔も見たくないのに、同じ席でメシ食うとかマジで無理…。



「アレ、朱里」



「あ?」



指さす方を見れば、渡辺が大胆に開いた朱里の背中をツンツンと触っていた。



朱里はケーキを取ってる最中で、完全に困っていた。



「あの、野郎…」



怒りの矛先が間宮から渡辺に変更され、席を立とうとすれば小走りに走ってきた朱里。



「あー、疲れた。璃香も食べるでしょ?」



そう言ってニンマリ笑顔で、璃香にケーキを勧めていた。



こいつ、あんだけ背中触られといて平気なのかよ…。



つか、これ開きすぎじゃないのか!?



「あー!前田、いたー!!」



なんで来んだよ、渡辺。



渡辺は、朱里を見つけるなり近付いてきた。



「なぁなぁ、木ノ瀬!知ってるかー?」



はぁ?知らないよ。



渡辺は、ニヤリと俺を見て笑った。
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