好きだったよ、ずっと。【完】
はぁ…、と溜め息が漏れた時、「大丈夫!?璃香ちゃん!!」と女子たちの声がした。



ん?璃香…?



さっきまで斜め前にいた、璃香の姿が見えない。



…ってことは、やっぱり。



思いきり立ち上がると、そこには出来上がった状態の璃香がいて。



あー、だから飲むなって言ったのに。



「朱里、璃香に……」



「言ったわよ。お酒飲むなって。そんなに璃香が心配?なら、行けばいいでしょ?」



俺の言葉を最後まで聞かず、いきなり声を荒げた朱里。



いや、朱里は心配じゃないのか?



オトコたちの、いやらしい目線に気付かないのか?



あんな谷間強調する服着てきて、酔っぱらってんだぞ?



犯されたら、どうすんだよ。



「なに、怒ってんだよ」



「別に怒ってなんかない。璃香が心配なら行けばって言っただけでしょ。元カノ守りに行けばいいじゃない」



あー、ダメだ。



今、なに喋っても同じだ。



「分かった、すぐ戻る」



俺は璃香の元へ、駆け寄った。
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