好きだったよ、ずっと。【完】
わたしは持っていたフォークを静かに、皿へと置いた。



相変わらず、隣にいる渡辺くんはうるさくて溜め息が漏れる。



右隣に座っていたはずの、春夜は璃香の元へと行ってしまった。



…って、わたしが行かせたんだけど。



チクリと、胸が痛くなった。



行ってほしくなかった。



でも、行けと言ったのは自分で。



そんな自分が、イヤになる。



ふと、視線が気になり右斜め前を見れば、聡と目が合った。



「大丈夫か?」



聡の優しさに、目頭が熱くなり思わず席を立った。



「あれー?前田、どっか行くのかー?」



酔っ払いの、渡辺くん。



デザートのケーキを選んでる最中、渡辺くんが隣に来た。



そして、「背中パックリ開いてるけど、どうなってるの?」と一言。
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