好きだったよ、ずっと。【完】
パタンとドアが閉まると同時に、「あ、聡くんじゃん!」と女性の声がした。



「あ、間宮くん。いらっしゃい」



続いて、男性の声がする。



「どーも」



聡は右手を上げると、カウンターの前まで歩いた。



「わぁ…、ほんとにイケメンだ」



思わず漏れた言葉に、慌てて口を押えてた。



カウンターの中にいる男女、きっと二人が夫婦なんだろう。



すごく二人の雰囲気が似ていて、見ていて安心できる。



わたしの言葉に女性はニコリと笑い、男性は照れているようにも見えた。



「ねぇ、聡の彼女?」



「え?」



突然違うとこから声が聞こえてきて、見ればカウンター席の真ん中に座ってた女性が、こちらを見ていた。



「花音ってば!!」



カウンターの中にいる女性が、「花音」と呼んだ。



花音さんって言うんだ。



すごくキレイな人だった。



思わず目を逸らし店内を見れば、少し薄暗く心地良いBGMが流れている。



可愛らしい間接照明が天井から照らし、落ち着く空間だ。
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