好きだったよ、ずっと。【完】
「だって、手繋いでるからさぁ~」



また花音さんの声が聞こえ、視線を自分の手元に移せば、しっかりと握られた手。



「ちょっ、聡!離してっ!!」



恥ずかしくなり、思いきり振りほどいた。



「あーぁ、花音さんが余計なこと言うから振りほどかれたじゃないですかー。どうしてくれんスか」



そう言いながらも、聡は笑っていて。



「なに、聡。その子口説こうとして、ここ来たの?」



花音さんは、手の平を顎にのせ、こちらを見てニヤリと笑った。



「まぁ、そんなとこ?」



ちょっ、ちょっと、なに認めてんのよっ。



余計恥ずかしくなるじゃないっ。



「とりあえず、座ろうか」



聡は、椅子を引いてくれた。



「……うん」



椅子もまた可愛くて、ちょっと高めで座るとこが真ん丸で小さくて。



イヤでも姿勢を、ピンッとしちゃうくらいオシャレな椅子。



「なに、飲む?」



「う~ん…」



聡に聞かれ、わたしは首を傾げ悩んだ。
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