好きだったよ、ずっと。【完】
「ちょっと、春夜!これは、どういうこと!?」



二人の前に突然現れた璃香に、春夜も隣にいた女もひどく驚いていた。



「あー、璃香。これはさ…」



「言い訳なんか聞きたくないっ!浮気する男なんかサイテー」



「あの、これは…」



「あなたは黙っていてもらえます?これは、わたしと春夜の問題なので」



春夜が喋ろうとしても聞かず。



女が喋ろうとしても聞かず。



わたしが入るしかないと思った。



「ねぇ、璃香。とりあえず、聞いてあげようよ?何か事情があるのかもしれないしさ…、ね?」



「朱里…」



春夜の助けを求めるような掠れた声に、わたしは春夜の目を見て小さく頷いた。
< 23 / 267 >

この作品をシェア

pagetop