好きだったよ、ずっと。【完】
「朱里、着いた。起きろ」



「……ん」



マンションの前で停まり、俺は朱里を起こした。



まだ朱里は眠そうで俺は、朱里の腰を抱き寄せながら部屋へと入った。



「春夜の部屋、何もないね」



「ん、ゴチャゴチャしてんのキライだからな」



電気を付けると、朱里はちょっと眩しそうに目を細めるとそう言った。



「朱里…」



「ちょっ、と…」



後ろから、抱き付くと身を捩らせた。



「イヤか?」



そう言いつつも朱里の耳朶を甘噛みし、反応を楽しむ。



「ふぁっ…」



「耳、感じんのか?」



「やぁっ…」



どうしようか、すげぇ可愛い。



今すぐ、抱きたい。



めちゃくちゃにしたい。



そんな感情が溢れだす。
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