好きだったよ、ずっと。【完】
「朱里、いい?」



熱くなったモノを近付けると、「ま、待って!!」と起き上がった。



「どうした?」



「やっぱり、やめない…?」



「は?」



ちょっと待て、ここまできてやめるとか生殺しだろ…。



「ごめん…」



「おい、待てって。お前、何かあんのか?」



朱里の顔を覗き込み、様子を窺った。



「なにも…、ないよ…」



朱里はそう言うが、何か隠してる。



「朱里」



名前を呼び、小さく触れるだけのキスをする。



「言ってみ?俺とすんのが、そんなにイヤか?」



「ちがうっ、そんなこと…、ない…」



「うーん、じゃぁ過去。誰かに何か言われたか」



俺としたくないわけじゃないのなら、他に何か理由があるはずだ。



そうなれば、過去しかない。
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