好きだったよ、ずっと。【完】
「……っ」



ほら、ビンゴだ。



朱里は、言葉を詰まらせた。



「なに、言われた?間宮じゃないよな?」



そう聞けば、小さく頷く。



うん、間宮だったら俺ぶっ飛ばしに行ってたかも。



「わ、たしの中…」



「うん」



「き、もちく、ないって…」



「そんなこと言われたのか」



誰だよ、んなこと言った奴は。



誰か分からない顔を想像し、怒りが込み上げてくる。



「だ、から。ずっと、口でしてたの…」



「あ、だからか…」



「え?」



「いや、なんでもない」



そう言って、心の中で納得した。



「それは、いつの話?」



「高校の時…」



「そのあとは?」



「…春夜が、二人目」



じゃぁ、10年はしてないってことか。
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