好きだったよ、ずっと。【完】
「朱里、マジで悪かったって!許せ、な?」



「やっ!」



久しぶりのエッチで、優しくすると言ったくせに腰が砕けるんじゃないかってくらい激しくされた。



高校生の時、付き合った彼氏に「お前の中、気持ちくないから口でしてよ」そう言われ、嫌われたくなくて必死でカレのモノを咥えた。



だけど最後には、「悪いけど、彼女できたらか別れて」とあっさり振られた。



それがトラウマになり、春夜のことがずっと好きだったけど他に誰かと付き合おうとは思えなかった。



「ワタシノナカハ キモチクナイ」



それが離れてくれなくて。



でもカレが下手だったのかは分からないけど、春夜とのエッチは気持ち良くて、いやらしい声を出す自分が恥ずかしかった。



だけど、それとこれとは別問題で。



今、春夜はベッドの上で裸に正座。



わたしはタオルケットで体を隠し、春夜を睨み付けていた。



「なぁ、キスするから許して?あぁんまいのしてやるからさ」



「イヤ」



「じゃぁ、ギュ~って抱きしめてやるから許して?」



「イヤ」



「じゃぁさ…」と、何度も色んな方法で、わたしのご機嫌取りをしようとしてくる春夜に少しだけ心が落ち着いてきて、許そうかなと思った。
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