好きだったよ、ずっと。【完】
「わたし、なんかでいいの…?」



「あぁ、朱里がいい。朱里じゃなきゃダメなんだ」



プロポーズをされた時って、どうやって返事をしていいか分からなくて。



「春夜と、同じ苗字になりたい…」



これがわたしの精一杯の返事だった。



「良かった…」



春夜は、その場にゴロンと転がると深く息を吐いた。



きっと、それだけ緊張してたんだろうなと思うと笑みが零れた。



一度転がった春夜はムクッと起き上がり、ピンクのリボンをほどき紺色の箱を開けた。



「手、かして?」



「う、うん」



右手か左手か悩んでれば、左手を掴まれそのまま薬指に指輪が嵌められた。



「朱里、大好きだよ」



「わたしも、春夜が大好き」



「ずっと、一緒にいような?」



「うんっ」



ずっとずっと、大好きな春夜と一緒にいたい。



喧嘩もすると思うけど、わたしたちならすぐ仲直りできるよね?



ずっとずっと、あなたが好きでした。



その笑顔、その優しさ、これからもわたしに与えてください。



「好きだったよ、ずっと。」 end
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