好きだったよ、ずっと。【完】
「急に、どうした?甘えん坊になったりして」



クスクスと笑いながらも、春夜の手はわたしの頭を優しく撫でてくれてて。



こんなにも、春夜のことが好きで好きでたまらない。



なのに、やっぱりわたしは春夜に対してヒドイことをしている…。



だから、遠慮がちに手を伸ばしてゆっくりと春夜の体に抱き付いた。



「……好き」



そう一言伝えれば、春夜の体がビクリと動いたのが分かった。



「俺も、好きだよ」



やっぱり、幸せだ。



好きな人に、好きと言ってもらえるのがこんなに幸せだなんて。



だからずっとこの幸せが続いたらいいな、と思ってたし努力しなきゃとも思っていた。



だけど、ほんの些細な喧嘩でわたしと春夜の間に小さな亀裂が入ってしまい、更にわたしたちの間を壊すような出来事が、あの幸せな朝から数か月後にそれは起こった。
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