好きだったよ、ずっと。【完】
「あぁ、飲んでるよ」



「うん、飲んでるよー」



わたしと春夜は、お互い返事を返した。



ほんとは、春夜と話したかったのに、この2人によって全然話どころか目すら合わすことができなかった。



「わたしィ、課長みたいな人がモロタイプでぇ」



もう、わたしの耳はさっきからダンボになってた。



「えぇ?そうなの?俺なんか、中村さんからしたらオッサンでしょー」



春夜が笑っているのが分かる。



若くて可愛い子から、タイプだと言われれば誰だって嬉しいよね…。



「朱里さん、俺の話聞いてます?」



「え、あー、ごめん。ちょっと聞いてなかった。なにー?」



春夜に集中しすぎてて、岡田くんの話を聞いていなかった。



だってチラリと見たら中村さん、春夜の膝の上に手置いてるんだもん…。



わたしだけの春夜なのに…。



わたしだけが、触れていいはずなのに。



どうして、触らせるの?



春夜は、イヤじゃないの?



可愛いから、嬉しかったりするの?
< 251 / 267 >

この作品をシェア

pagetop