好きだったよ、ずっと。【完】
「だからですね?朱里さん、彼氏いるんですか?」



「えっ!?彼氏っ!?」



思いがけない言葉に声が大きくなり、あっという間にみんなの注目を浴びた。



「そういえば、朱里ちゃんのそういうの聞いたことないよねぇ。どうなの?」



「え、あの…。それは…、あはは」



向かいに座ってる人たちに、突っ込まれ笑うしかなくて。



そんなわたしに、岡田くんが衝撃発言をした。



「いないなら、俺。立候補してもいいですか?」



「へっ!?なにに…、かな?」



「もちろん、彼氏です」



「わ、わたしっ!?」



突然のことに、どうしていいか分からなくなっていると、「コホン」と一つ隣から咳払いが聞こえた。



春夜だ。



だけど、どうすりゃいいのよ。



彼氏がいると言えば、「誰だ」ってなるし、いないって言ったら岡田くんに期待させちゃうし。



「入社した時から、ずっと好きだったんです」



「えぇ!?」



そんなの、こんな場で普通言う!?



「えー!岡田くんだけズルイ!それなら、わたしも!ずっと課長が好きでした!!」



なんてことだ…、中村さんまで春夜に告白したよ…。



「いやー、中村さんみたいな可愛い子にそう言われちゃうなんて、俺もまだまだいけるねぇ」



クスリと笑った春夜。



え、なにこの気持ち…。



そんな答え方したら、中村さん本気にするじゃん…。
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