好きだったよ、ずっと。【完】
「春夜のこと良く分かってるのは、わたし。朱里じゃない」



「おい、璃香。言い過ぎだぞ」



「いいよ…、春夜」



「朱里…」



今度は、わたしと璃香の間に春夜が入った。



何で、こんなことになっちゃったんだろうな…。



「璃香、ごめんね。親友って思ってたのは、わたしだけだったみたいだね。確かに付き合ってるのは二人だから、春夜の細かいとこまでは、わたしにも分からないよ。でもさ、大学時代ずっと一緒にいたんだもん、春夜が嘘付いてんのか、付いてないかくらいは、わたしにでも分かる。余計なお世話かもしれないけど、春夜のこと信じてあげなよ」



だって、春夜は嘘付いてない。



ずっと片思いしてきたんだ、それくらい分かるよ。



「木本さん…、だっけ?わたしが送ってあげる。家どこら辺?」



「朱里」



「いいから、春夜は璃香の傍にいてあげなよ」



木本さんは、戸惑っていたけど何度か言うと首を縦に振ってくれた。
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