好きだったよ、ずっと。【完】
「ちょっと、春夜!!」



「んだよ」



春夜の腕を振り払い、向かい合わせになった。



真っ直ぐとわたしを見つめるその目は、怒ってるように感じた。



「あんなことしたら、怪しまれるでしょ!」



「仕方ないだろ。それとも、お前は岡田と一緒にいたかったのかよ。それとも、間宮と一緒にいたかったのか」



「そんなわけないじゃない!それを言うなら、春夜だって中村さんと一緒にいたかったんじゃないの。あんなに、イチャイチャしちゃってさ」



どうして、わたしが責められないといけないのよ。



全部、わたしが悪いわけ?



こんなことで、泣きたいわけじゃない。



だけど、視界がボヤけてくるんだ…。



「もういい。帰る」



「おい、待てよ」



「待たない。付いてこないで」



懸命に早歩きで駅に向かえば、余裕な顔で普通に歩いて、わたしの隣に付いた春夜。



なによ、ちょっと足が長いからってバカにして。
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