好きだったよ、ずっと。【完】
「あぁ。いってらっしゃいって、言ってほしい。お帰りって、言ってほしい」
「……専業主婦。なっちゃおうかな…」
せっかく慣れた仕事だったけど、仕方ない。
これは、わたしの気持ちの問題だ。
「あぁ。ちょっとずつでいいから、引き継ぎしとけ」
「……うん」
少し、ほんの少しだけ重たかったモノが楽になった気がした。
「よし、じゃぁ。ステキな夜にするか」
片方の口角を上げた春夜の、鼻を思いっきり摘んだ。
「テメッ、なにすんだよ」
暴れる春夜は、少し可愛かった。
「中村さんのこと、可愛いって思ったでしょ」
「はぁ?なに言ってんだよ。可愛いのは、朱里だけだっつーの」
「ウソばっかり。声が浮かれてた」
「浮かれてない」
「浮かれてた!!」
叫ぶように言えば、春夜は何も言わなくなった。
「……専業主婦。なっちゃおうかな…」
せっかく慣れた仕事だったけど、仕方ない。
これは、わたしの気持ちの問題だ。
「あぁ。ちょっとずつでいいから、引き継ぎしとけ」
「……うん」
少し、ほんの少しだけ重たかったモノが楽になった気がした。
「よし、じゃぁ。ステキな夜にするか」
片方の口角を上げた春夜の、鼻を思いっきり摘んだ。
「テメッ、なにすんだよ」
暴れる春夜は、少し可愛かった。
「中村さんのこと、可愛いって思ったでしょ」
「はぁ?なに言ってんだよ。可愛いのは、朱里だけだっつーの」
「ウソばっかり。声が浮かれてた」
「浮かれてない」
「浮かれてた!!」
叫ぶように言えば、春夜は何も言わなくなった。