好きだったよ、ずっと。【完】
「璃香…」



俺は朱里が木本と二人歩いて行くのを遠くに感じながら、璃香に話し掛けた。



「わたしは、信じない」



璃香は全く俺を信じようとはしてくれなかった。



「本当に俺は…」



「信じないって言ってんでしょ!!なんなの!?朱里まで、春夜は嘘付いてないとか分かった風に言って!付き合ってるのは、わたしなのに!」



もう、璃香に何を言っても無駄だと思った。



だから俺は…。



「なぁ、璃香。俺たち、ちょっと離れてみないか?」



「え…?」



もう、離れるしかないと思った。
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