好きだったよ、ずっと。【完】
「あの…。わたし…、ごめんなさいっ!」



隣にいた木本さんが、わたしから離れ謝った。



「え?どうして木本さんが謝るの?」



「だって、わたしのせいで…」



木本さんは立ち止ったまま、顔を俯かせた。



「大丈夫だよ。春夜は璃香のこと大好きだし、何とかなるでしょ」



「でも…」



「まぁ、わたしはあのまま別れてくれたほうがいいんだけどね」



「え?」



木本さんは、パッと顔を上げた。



「わたし。あ、これ春夜には内緒だよ」



そう言うと木本さんは、コクンと頷いてくれた。
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