好きだったよ、ずっと。【完】
「男の人は、誰とでも寝れるんでしょ?わたしじゃ、ダメ?」



「おい、朱里」



「なに?春夜は、わたしのなに?彼氏でもないのに入ってこないでよ」



なにが、「おい、朱里」よ。



抱きしめといて、好きで抱き寄せないだとか、引くだとか冗談じゃない。



「で、どうすんの?間宮くん。わたしのこと抱くの、抱かないの?」



「え…、前田本気かよ…」



「冗談で言うわけないでしょ。間宮くんが抱いてくんないなら、そこら辺の男捕まえる」



わたしが歩き出そうとした時。



「分かった。行くよ、ホテル」



腕を掴まれた。



「じゃぁ、早く行こ?」



わたしは間宮くんの腕にギュッと抱き付いた。



「そういうことだから、璃香。安心して付き合うといいよ」



「え、朱里!待って!!」



わたしは璃香の声に振り向くことなく、歩き出した。
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