好きだったよ、ずっと。【完】
ごめん、春夜。



でも、今わたし気付いちゃった。



きっと朱里は、春夜が好きなんだって。



一年前、わたしたちがあったことにも朱里は真剣になって間に入ってくれた。



「春夜は嘘を付いていない」って。



「春夜を信じろ」って。



最初は、朱里に何が分かるの?って思った。



でも分かっていないのは、わたしのほうだった。



春夜はいつも、わたしを大切にしてきてくれた。



あの日、聞かされたプロポーズのことだって正直嬉しかった。



それと同時に、隣にいるのはわたしじゃないって思った。



そしてそれは、今日確信に変わった。



ごめんね、朱里…。



ずっと、ツラかったよね…。



あなたは、いつから春夜のこと…、思っていたの?



まさか、大学時代から…?



だとしたら、本当にごめんっ。



わたしは茫然と立ち尽くしてる春夜を置いて、歩き出した。
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