好きだったよ、ずっと。【完】
「だからって……」



「もうっ…、忘れたいのっ。春夜の優しさも、イジワルなとこも、あの甘ったるい匂いも、全部何もかもっ…!!」



間宮くんの言いたいことは分かった。



だけど、どうすることもできない恋だってあるんだよ。



「分かったよ」



「え?」



隣にいる間宮くんを見上げると、真剣な顔でわたしを見ていた。



「あのホテルでいいか?」



指さす方を見れば、一軒のラブホテル。



「うん…、いいよ。行こう」



わたしの言葉に間宮くんは何も言わず歩き出した。



もう、春夜のことなんか大嫌い。



あんな男っ…。
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