好きだったよ、ずっと。【完】
「じゃぁ、ここでいいか?」



「ヤれればいい」って言ってんだから、部屋の雰囲気なんかどうでもいいんだろ。



だから俺は、比較的安いとこを選んだ。



「安いとこ選んだね」



かと思えば、この返事。



「なっ…、お前なぁ」



「うそうそ、ここでいいよ。早く入ろ?」



クスリと笑った彼女は、すごく大人の女性になっていた。



あの頃とは全然違う、色気ある女性に。



「前田、本当にいいのかよ」



もう一度、確認しておく。



「いいよ、抱いて?」



この言葉に俺の頭の中の何かが、弾けた。



グイッと、前田の腕を引っ張ると選んだ部屋に入りドアがパタンと閉まると同時に前田の唇を奪った。
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