好きだったよ、ずっと。【完】
でも、わたしは忘れたかった。



忘れたかったから…!!



「俺に抱かれてたら、木ノ瀬のこと忘れられてたか?」



「え?」



昨日あのまま、聡に抱かれていたら…?



「忘れられるわけないだろ?セックスして忘れられんなら、みんな失恋した奴はヤってんだろ」



そうかもしれない…。



「ほら、だから木ノ瀬のこと想ってろって。もう時間だ、着替えたら出るぞ」



「う、うん」



聡の言葉に急いで出る準備をした。



「飯でも食ってくか?」



清算をして、部屋を出る。



「うん、いいよ。聡のおごりだもんね?」



「はぁっ!?お前なぁ…。まぁ、いいけど」



春夜を嫌いになってたら、わたしは聡を好きになってたかもな。



隣にいる聡を見て、そんなことを思った。
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