好きだったよ、ずっと。【完】
「聞き方、変えようか。誰のこと考えてた?」



そんなこと言えるかよ。



「璃香には……」



「関係ないって?じゃぁ、わたしが当ててあげようか。朱里のことでしょ?」



「な……」



「ついでに、考えてたことも当てようか?」



璃香…、お前なに言ってんだっ。



考えてたことなんて。



「どうせ、昨日どうしてあんなこと言ったんだろう…、とかそんなとこでしょ?」



なっ…、んで。



「違う?」



「ちが…、わない」



璃香の真っ直ぐな瞳に、俺は認めた。



「やっぱりねぇ。ところで春夜。朱里のことは、どう思ってんの?」



「なんだ、その質問は」



どう思ってるって…。



「友達としてじゃなくて、女として」



「え…」



俺の心の時間が一瞬、止まった。
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